不動産売却コラムCOLUMN

親が認知症で不動産が売れない?成年後見制度で解決する方法

高齢者の4人に1人が認知症もしくは、その予備軍だと言われています。将来はさらに、認知症患者は増えていく可能性があります。

そこで今回は、親が認知症になり判断能力が無くなったら、親の不動産はどうなるのか?子供が代わりに、親の家を売却してもいいのかどうかを解説していきます。

これを見ると認知症になった親の不動産の取扱い方や、売却したい場合はどうしたら良いのかが分かりますのでぜひ最後までご覧ください。

1. 認知症の親の不動産は自由に売却できる?

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結論的にいうと認知症の親が所有している不動産を売却するのに親本人の「売却したい」という意思確認ができないと売却することができません。

意思能力のない人が不動産の売買契約を結んでも、契約自体が無効になってしまいます。

意思能力とは?

売買契約や登記の手続きが「何を意味しているか」を正しく理解し、自分の意思で判断できる能力を指します。認知症の程度によっては、意思能力がないと判断される場合があります。

勝手に売却した場合は?

親の意思を確認せずに不動産を売却した場合、後から売却が無効となる可能性があります。また、親の財産を不当に扱ったとみなされると法的な問題に発展することもあります。

2.認知症の親の不動産を売却する方法

認知症の親の不動産を売却する場合、次のような手続きが必要です。

成年後見制度

認知症の親が不動産を売却する際、最も一般的な方法は成年後見制度を利用することです。

成年後見制度では、家庭裁判所が「成年後見人」を選び、判断能力が不十分な本人に代わって財産の管理や契約手続きを行います。これにより、不動産の売却や重要な契約も安全に進められる仕組みになっています。

成年後見人になれるのは、本人をサポートできる信頼できる人です。家族や親族が選ばれることが多いですが、後見人は家庭裁判所が慎重に選びます。後見人の職業や経歴、本人との関係性、利害関係の有無などが考慮されるため、親族が後見人を希望しても裁判所に認められない場合もあります。

特に親族間で争いがある場合や、親族に高齢者しかいない場合、また財産の管理に不安がある場合などは、弁護士や司法書士といった第三者が後見人に選ばれることが一般的です。実際、成年後見人に親族が選ばれるケースは全体の約2割にとどまり、残りの8割は専門家が担当しています。

このように、成年後見制度は公平性を重視し、本人の利益を最優先に考えた仕組みになっています。

成年後見人に選ばれると

成年後見人に選ばれると、後見人が本人に代わって契約を行うことができます。この場合、その契約は「本人が行ったもの」とみなされるため、法的に有効になります。

ただし、後見人は「本人の利益になること」しか行うことができません。例えば、不動産の売却で得たお金を介護費用に充てる場合など、本人の生活や福祉に必要な目的であれば、裁判所が認める可能性が高いです。

一方で、親族が単に「お金が欲しい」という理由で不動産を売却しようとする場合、本人の利益にならないため、売却は認められません。成年後見人は、本人を守る立場として公平に行動することが求められます。

また、不動産を売却する際には売却価格にも注意が必要です。相場よりも安く売却してしまうと、本人の財産を不当に減らすことになり、不利な取引とみなされます。後見人は、本人にとって適切な価格で取引を行う責任があります。

あと、本人のマイホームを売却する場合は「重要な財産の処分」とみなされるため、家庭裁判所の許可が必要です。裁判所の許可を得ずに勝手にマイホームの売買契約を結ぶと、その契約は無効となるため、注意が必要です。売却時は、適正な価格と裁判所の手続きに従うことが重要なんです。

3.成年後見制度の流れ

成年後見制度を利用する際には、申請費用と後見人への報酬が必要になります。以下にわかりやすくまとめます。

申請費用について

家庭裁判所に申し立てを行う際に必要な費用は、手数料、切手代、謄本取り寄せ費用で約1万円程度になります。

これらの費用を用意して手続きを進める必要があります。

後見人への報酬について

成年後見人が選任された場合、後見人への報酬が発生します。

親族が後見人の場合
親族が後見人に選ばれた場合、報酬を請求しなければ費用は発生しません。

弁護士や司法書士が後見人の場合
本人の財産から報酬が支払われます。
報酬額は裁判所が決め、管理する財産の額によって異なります。基本的には、月額2万円~6万円程度。財産が多いほど、報酬額が高くなることがあります。

4.成人後見制度を使って不動産を売却する手順は?

①成年後見制度開始の申立て

成年後見制度の開始を申し立てるには、家庭裁判所に必要な書類を提出する手続きが必要です。

まず、申立てを行うのは家族や4親等の親族、または市区町村長などです。家庭裁判所に申立書を提出し、診断書や戸籍謄本などの必要な書類を準備します。この書類は、本人の状況を証明するために重要です。申立書が受理されたら家庭裁判所が後見人を選定します。

②成年後見人の選任

申立て後、家庭裁判所で審理が行われます。ここでは、本人の判断能力や状況が確認され、成年後見人が選ばれます。

選ばれる後見人は、本人の利益を守ることができる信頼性が重視されます。審判が下りるまでには、通常1~3ヶ月程度かかるので手続きの早い段階でするのがおすすめです。

③不動産会社と媒介契約を結ぶ

成年後見人は、判断能力が不十分な本人に代わって不動産の売却手続きを行います。売却を進めるために、不動産会社と媒介契約を結びます。

契約時には、不動産会社と後見人が協力して売却の条件や進め方を決めます。たとえば、売却価格の設定や売却活動の方針などを具体的に話し合い、この契約を通じて、不動産会社が広告活動や買主の募集を代行し、売却がスムーズに進むようサポートします。媒介契約は、不動産売却を進める上での大切な一歩です。

成年後見人は、本人の利益を最優先に考えながら契約内容をしっかり確認し、適切な選択をすることが求められます。

④マイホームの場合は裁判所の許可を受ける

裁判所の許可が必要なのは、本人が住んでいる不動産や、病院から退院したら帰ってくる家を売却する場合です。

裁判所に「なぜ売るのか」「売ったお金をどう使うのか」を説明します。

⑤買主と売買契約を結ぶ

不動産の売却について家庭裁判所の許可が下りたら売却することができます。売買契約時は法定代理人(成年後見人)と買主、不動産会社が集まります。そこで契約内容を確認し、同意をしたら書類に署名と押印を行います。

⑥決済、引き渡し

決済は成年後見人、買主、不動産会社、司法書士が集まって決済を行います。

その場で、買主から売買代金が支払われ、成年後見人がその代金を受け取ります。代金の受け取りが完了したら、不動産の引き渡しを行います。その後、司法書士が法務局に所有権移転登記の申請を行い、不動産の所有権が正式に買主に移ります。

この一連の流れが終わることで、売却手続きがすべて完了します。

5.不動産売却の際の注意点

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認知症の親の不動産を売却する際は、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。

親本人の利益を最優先に考える

売却によって得た利益は、親の生活費や医療費、介護費用など、親のために使われるべきものです。この目的が明確でない場合、裁判所の許可が下りないこともあります。

不動産の名義を確認する

不動産が親だけの単独名義であれば問題ありませんが、共有名義になっている場合、他の共有者とも協議が必要になります。これを怠ると、売却手続きが進められない可能性があります。

売却までの期間に余裕を持つ

成年後見人の選任には数ヶ月かかり裁判所の許可が必要な場合もあるため、売却手続き全体で1年以上かかることも珍しくありません。計画的に進めることが成功の鍵となります。

これらの点を押さえておくことで、不動産の売却をスムーズに進めることができ、親の利益を守ることができます。

6.まとめ

親が認知症になった場合でも、成年後見人の制度を使えば、不動産を売却することは可能です。でも、売却することが認知症になった親の本意かどうかは、その時点ではもう分かりません。

将来、親の不動産をどうするのか?親の本意に沿って進めるためには、親が認知症になる前から親子でどうするかを事前に話し合っておくことが大切です。

そうしておくことで、もし将来認知症になったとしても介護費用はどうするのか、など色々な選択肢から考えることができますし、その後の相続についても親は考えを整理できるかと思います。

何事も早め早めに対策しておくことをおすすめします。

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