節税する方法!土地の分筆とは?
「相続などで財産を引き継ぐとき税金(相続税)がかかる」ということは多くの方が知っていることでしょう。課税対象となる財産には土地や家屋といった不動産も当然含まれています。
そこで今回は、相続税を節税する方法の1つ、土地の「分筆」についてご紹介します。
土地の分筆とは?
分筆(ぶんぴつ)とは、登記簿上で単一の土地を複数に分割して登記し直すことです。土地は数え方として「一筆、二筆」となるため、土地を分けることを分筆と呼ぶのです。
反対に、登記簿に登録された複数の土地を合体させて1つの土地として登録し直すことを「合筆」といいます。
分筆をすることで、それぞれが自由に売却したり、家を建てたりすることができるようになります。
土地の分筆と分割との違い
分筆と分割は、単一の土地を複数に分けるという意味では同じで、登記簿上でも土地が分かれることになるかどうかです。複数の土地として登記されるのが分筆です。
一方、登記を変更せずに、登記簿上は同じ土地のまま、それぞれの土地が建築基準法の基準を満たして建物を建築できるように土地に机上の線を引くことが分割です(実際の土地に線を引く必要はありません。)。
土地の分筆でなぜ節税に?
分筆をすると土地が分割されるため、土地の境界が変わることになります。分筆により土地の境界が変われば、地形や路線価が変わるため、土地の評価額に影響が出ます。土地の評価額は、土地の間口や形状、面している通りの道路幅等、様々な要素によって決まります。
例えば、同じ面積の土地であっても「大通りの道に面している土地」と「非常に狭い道に面している土地」を比べたとき、大通りにすぐ出ることのできる土地のほうが評価額は高くなり、固定資産税や相続税、贈与税等の税金が高くなります。したがって、通りに面している土地と通りに面していない土地とに分筆することによって、通りに面していない土地の評価額を下げ、税金を安くすることができる場合があります。
この仕組みを利用し、評価額を下げることで節税につなげることができるのです。
土地の分筆による節税の注意点
土地の分筆によって節税するためには、相続後に土地の所有者が変更されることが必須条件です。どのように分筆しても、全て同一人物が相続した場合は節税にはなりません。
分筆後の土地をそれぞれ別の方が相続しなければ節税にならないため、相続人同士の調整を慎重に行う必要があります。
また、土地が二筆に分かれていても、境界線上に建物が建っている等、土地が一体として利用されている場合は、土地の評価も一体として行われる場合があります。
土地の分筆で節税できても損をすることも……
分筆すると土地が小さくなります。当然ですが、小さな土地は売却するときに安値になってしまうため、大きな土地をそのまま売った方が節税分を考慮してもお得だった…という可能性がないとも限りません。
土地と土地上の住宅を同時に売却した場合は別の場所に住み替えしなければなりませんが、じゅうぶんな値段で売れれば住み替え費用を捻出することができます。
節税だけに目を奪われるのではなく、住宅売却など他の方法も検討して最も利益が高いものを選んでください。
分筆登記をうまく使うことで、土地の評価額を下げて節税することができます。 しかし、分筆の方法を間違えると節税することができません。
場合によっては分筆よりも住宅売却など他の手段の方が得になるケースもあります。信頼できる不動産会社に相談して、アドバイスを受けることをおすすめします。
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